入れ歯の種類別デメリットは?
バネ・厚み・手術の注意点【戸塚】

入れ歯の種類を調べると、どの種類にも「薄い」「目立たない」「外れにくい」といった良い面が並んでいます。ところが実際に使い始めると、良い面の裏側にある弱点のほうが、日々の暮らしでは気になることが少なくありません。戸塚でご家族の入れ歯を一緒に選びにいらっしゃる方からも、「親に合う種類を勧めたいが、後で困る点を先に知っておきたい」というお話をよく伺います。

この記事では、入れ歯の種類別のデメリットを、それぞれの入れ歯が「どんな構造でできているか」という面から整理します。バネが歯にかける力、樹脂の厚み、金属とアレルギー、バネのない入れ歯の変形、磁石と検査、インプラントの手術。弱点は構造から決まるため、構造を知れば「なぜその入れ歯の種類にその注意点があるのか」が理解でき、選ぶときの判断材料になります。

入れ歯のデメリットは
「構造」から決まる

上下の総入れ歯を横から見た写真|戸塚モディシティデンタルクリニック

どんな入れ歯も、人工の歯、歯ぐきに乗る床、そして口の中に留めるための固定の仕組みという3つの部分でできています。デメリットが出る場所は、この3つのうちどこに何の材料を使い、どうやって固定しているかで決まります。裏を返せば、弱点が出やすい場所があらかじめ分かっている、ということでもあります。

種類×弱点が出る場所の早見表

入れ歯の種類 弱点が出る場所 主なデメリット 影響が大きくなりやすい方
種類:保険のレジン床(総入れ歯) 場所:床(樹脂) デメリット:強度を保つために厚みが要り、違和感や話しにくさ、温度の伝わりにくさにつながる。落とすと割れることがある 影響が大きい方:上顎の入れ歯が大きい方、吐き気が出やすい方
種類:保険の部分入れ歯(金属のバネ) 場所:固定の仕組み(バネ)とバネをかけた歯 デメリット:バネをかけた歯に着脱と噛む力が伝わり、揺れや汚れの停滞につながる。前歯側ではバネが見える 影響が大きい方:支えの歯に歯周病がある方、清掃が行き届きにくい方
種類:金属床 場所:床(金属) デメリット:費用が高い。金属の種類によってはアレルギーの心配。金属が変形すると修理が難しい 影響が大きい方:金属アレルギーの既往がある方
種類:バネのない入れ歯(ノンクラスプ) 場所:床と固定の仕組み(弾力のある樹脂) デメリット:熱に弱く変形しやすい。年月で色が変わることがある。修理・増歯に制限。歯ぐきに樹脂が覆いかぶさるため清掃に注意 影響が大きい方:噛む力が強い方、熱いものを頻繁に口にする方
種類:シリコンで裏打ちした入れ歯 場所:床の内面(シリコン) デメリット:年月で硬くなる・はがれる・においがつく。定期的な貼り替えと専用の手入れが前提 影響が大きい方:手入れの時間が取りにくい方
種類:磁石で固定する入れ歯 場所:固定の仕組み(磁石と歯の根) デメリット:使える歯の根に条件がある。MRI検査時の申告が要る。根に問題が起きると設計変更が必要 影響が大きい方:定期的にMRI検査を受ける方、根の状態が不安定な方
種類:インプラントオーバーデンチャー 場所:固定の仕組み(顎の骨に埋めるインプラント) デメリット:外科手術が必要で、骨の量や全身の状態で適応が限られる。費用が高い。インプラント周囲の炎症に注意が要る 影響が大きい方:持病のある方、骨がやせている方、通院を続けにくい方

表の「弱点が出る場所」に注目すると、保険の入れ歯は床と固定の仕組みそのものに、自費の入れ歯は「良くするために使った材料や仕組み」に弱点があることが分かります。薄くするために金属を使えばアレルギーの心配が生まれ、バネをなくすために弾力のある樹脂を使えば変形と修理の制限が生まれる、という具合です。デメリットのない入れ歯はなく、どの弱点なら受け入れられるかで選ぶ、というのが現実的な考え方です。

どの種類にも共通する注意点

種類ごとの弱点とは別に、入れ歯全般に共通する注意点もあります。取り外し式であるため慣れるまでに時間がかかること、歯ぐきや骨が少しずつ変わるため定期的な調整が要ること、清掃が不十分だと入れ歯に汚れが付いて口内炎や口臭の原因になることです。これらは種類を変えても消えない性質なので、「自費にすれば全部解決する」という期待は持たないほうが、後の満足度は高くなります。

「弱点を知って選ぶ」ための見方|
家族の入れ歯で気をつけたいこと

上の総入れ歯と金属のバネがついた部分入れ歯|戸塚モディシティデンタルクリニック

ここからは、表に挙げたデメリットの中でも、ご家族が一緒に選ぶときに知っておくと役立つものを、少し詳しく見ていきます。特に、ご本人が気づきにくい弱点は、周りの方が知っていることで早めに対処できます。

バネをかけた歯|「入れ歯の寿命」より「歯の寿命」を見る

保険の部分入れ歯は金属のバネで残っている歯に留めますが、このバネは入れ歯を支えるたびに、かけた歯を引っ張り、押し、揺らします。加えて、バネの根元は食べかすが残りやすく、磨き残しが起こりやすい場所です。その結果、バネをかけた歯は何もしていない歯より虫歯や歯周病が進みやすくなります。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、45〜74歳では歯肉炎・歯周炎の治療が歯科治療の三分の一を占め、75歳以上では歯の補綴(義歯など)の治療が4割以上を占めるとされています(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の治療の流れ」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-004.html )。歯周病の世代と入れ歯の世代は地続きで、バネをかける歯の歯ぐきの状態が、入れ歯を長く使えるかどうかを左右します。

だからこそ、部分入れ歯を選ぶときは「入れ歯が何年もつか」より「支えの歯を何年残せるか」を見ることをおすすめしています。バネの本数や位置を分散させて力を逃がす設計、バネの根元を磨きやすい形、そして定期的に歯の揺れを確かめる通院。この3つがそろえば、バネの弱点はかなり小さくできます。歯周病で歯を支える骨が減る仕組みは、関連記事でご確認いただけます。

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金属を使う入れ歯|アレルギーは「口の外」にも出る

金属床の入れ歯や磁石を使う入れ歯は、金属をお口の中に長く置くことになります。金属アレルギーのある方では、口の中の粘膜だけでなく、全身に症状が出ることがある点が見落とされがちです。公益社団法人日本補綴歯科学会の一般向け講座では、歯科用金属によるアレルギーの症状は口の中だけに現れることも全身に現れることもあり、出現する場所も現れ方もきわめて多彩であること、金属アレルギーと診断されている方やピアスで耳が腫れた経験のある方は歯科用金属にも症状を起こす可能性があること、検査にはパッチテストという方法があることが述べられています(参照:公益社団法人日本補綴歯科学会「よくわかる補綴歯科講座(第5回)」 https://hotetsu.com/p4_05.html )。金属を使う入れ歯を検討する前に、アクセサリーで皮膚がかぶれた経験がないかを思い出していただくだけでも、選択の失敗を減らせます。

バネのない入れ歯|「熱」と「力」に弱い

バネのない入れ歯では、歯ぐきと同じ色をした弾力性の樹脂が歯を包み込んで支えます。この樹脂は見た目に優れる一方、熱に弱く、熱湯で消毒すると変形して合わなくなることがあります。噛む力が強い方や歯ぎしりのある方では、樹脂が割れたり伸びたりすることもあります。さらに、一般的なレジンのように樹脂を継ぎ足して修理する方法が使いにくく、残っている歯を抜くことになったときに人工歯を足す増歯にも制限があります。歯ぐきの上に樹脂がかぶさる構造のため、その下に汚れが残りやすい点も、清掃の面での注意点です。

磁石とインプラント|「体の検査」と「手術」が関わる

磁石で固定する入れ歯は、歯の根に金属の受け皿を付け、入れ歯側の磁石と引き合わせます。磁石と金属は、MRI検査の画像に影響したり、検査前に外す必要が出たりすることがあるため、検査を受ける際は申告が要ります。使える歯の根には神経を取ってあるなどの条件があり、根の状態が悪くなれば設計の変更も必要です。インプラントで固定する入れ歯は、顎の骨に人工の歯根を埋める手術を伴います。骨の量や持病によって適応が限られ、手術後の腫れや痛み、長期的にはインプラント周囲の炎症への注意が続きます。手術に関するデメリットの詳しい説明は、インプラントの記事と当院のインプラントのページでご覧ください。

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家族の入れ歯で気をつけたい2つのこと

祖父母世代|小さな入れ歯の誤飲と、我慢のサイン

歯が1〜2本分の小さな部分入れ歯は、緩んだまま使っていると、食事中や就寝中に誤って飲み込む事例が報告されています。就寝時に外す、緩みを感じたら早めに調整する、という習慣が予防になります。また、ご高齢の方は痛みや緩みを「年のせい」として口にしないことが多く、食事に時間がかかる、硬いものを避ける、入れ歯を外している時間が増えたといった変化が、周りが気づけるサインになります。

親世代|金属アレルギーと、噛む力

働き盛りの世代で入れ歯を選ぶ場合は、金属アレルギーの有無と、噛む力の強さが種類選びを左右します。歯ぎしりや食いしばりのある方がバネのない入れ歯を選ぶと、樹脂の変形や破損が起きやすくなります。この世代は「目立たない」を優先したくなりますが、噛む力との相性を先に確かめておくことが、結果的に長く使うことにつながります。

戸塚で家族の入れ歯を相談するなら|
弱点を減らす設計と定期調整

スタッフが手に持った総入れ歯|戸塚モディシティデンタルクリニック

当院では、入れ歯の種類をご提案するとき、良い面だけでなく、その種類に固有の弱点と、それをどう小さくするかの設計をあわせてお話ししています。戸塚でご家族の入れ歯を一緒に考えている方は、ご本人と付き添いの方が同じ説明を聞けるよう、診療室にご一緒に入っていただくこともできます。

戸塚での通い方と院内のご案内

  • 戸塚駅の改札からそのまま戸塚モディの7階へ上がれる立地で、休みの日を設けず夜20時30分まで診療しています。学校や仕事の帰りに、ご家族の付き添いで来院していただけます
  • 支えに使う歯の骨の状態や、インプラントを検討する場合の骨の量は、院内の歯科用CTで確かめられます
  • 個室の診療室で、入れ歯を外した状態でのご相談や、付き添いの方を交えたご説明ができます
  • 金属アレルギーの心配がある方は、問診時にお伝えください。金属を使わない、または最小限にした設計をご提案します
  • 各種保険の取り扱いがあり、自費の入れ歯を選ぶ場合はカード払いも併用していただけます

よくある質問

保険の部分入れ歯のバネは、健康な歯を悪くしてしまいますか?
バネをかけた歯には着脱や噛む力が伝わるため、何もしていない歯より負担がかかるのは確かです。ただ、それは設計の工夫と清掃で軽くできる負担でもあります。バネの本数や位置を分散させる、バネの根元を重点的に磨く、定期的に歯の揺れを確認するといった対策で、支えの歯を長く残すことを目指します。
金属床の入れ歯は薄くて良いと聞きますが、デメリットはないのですか?
費用が保険の入れ歯より高いこと、金属の種類によっては金属アレルギーの方に向かないこと、金属部分が変形したときに修理が難しいことがデメリットにあたります。薄さや温度の伝わりやすさという利点と引き換えの弱点ですので、両方を知ったうえで選んでいただいています。
バネのない入れ歯は、長く使えますか?
使い方と設計によります。歯ぐき色の樹脂は熱で変形しやすく、噛む力が強い方では割れや変形が起こることがあります。また修理や増歯に制限がある素材です。見た目の利点は大きい一方で、こうした特性を知らずに選ぶと後で困ることがあるため、噛み合わせの状態を確認したうえでご提案しています。
磁石で固定する入れ歯を入れると、MRI検査は受けられませんか?
受けられないと決まっているわけではありませんが、磁石やその受け側の金属が画像に影響したり、検査前に外す必要があったりする場合があります。検査を受ける際は、磁石の入れ歯を使っていることを医療機関に申告してください。当院でも装着時にその旨を書面でお渡しします。
高齢の親の入れ歯を選ぶとき、家族が気をつけることはありますか?
小さな部分入れ歯は誤って飲み込む事例が報告されているため、就寝時に外す習慣と緩みの早めの調整が大切です。また、ご本人が「年のせい」と痛みや緩みを我慢していることが多いので、食事に時間がかかる、入れ歯を外している時間が増えたといった変化に気づいたら、受診を勧めてあげてください。

まとめ|入れ歯の種類別デメリットは構造を知れば見えてくる

入れ歯の種類別のデメリットは、人工歯・床・固定の仕組みという構造のどこに何を使っているかで決まります。バネは歯に力をかけ、樹脂の床は厚みが要り、金属はアレルギーの心配があり、バネのない入れ歯は熱と力に弱く、磁石は検査の申告が要り、インプラントは手術を伴う。良い面と弱点は表裏の関係にあり、弱点のない入れ歯の種類はありません。

大切なのは、どの弱点なら受け入れられるかを、ご本人とご家族が知ったうえで選ぶことです。戸塚で入れ歯の種類に迷っている方は、それぞれの注意点と、それを小さくする設計の考え方を聞くところから始めてみてください。

自由診療の副作用とリスク

副作用とリスク

  • 金属床義歯や磁性アタッチメントには金属を使用するため、金属アレルギーのある方に症状が現れる可能性があります。既往のある方は事前にお申し出ください
  • ノンクラスプデンチャーは熱や強い力で変形・破損することがあり、素材の特性上、修理や増歯に制限があります
  • シリコンデンチャーの裏打ちは経年で劣化するため、定期的な貼り替えとメンテナンスが必要です
  • 磁性アタッチメントはMRI検査に影響する場合があり、検査時の申告が必要です。使用できる歯の根には条件があります
  • 手術でインプラントを埋めて固定するオーバーデンチャーでは、術後の腫れ・痛み・出血や、時間が経ってからのインプラント周囲の炎症が起こりえます。骨量や持病により適応外となることもあります
  • どの種類でも装着当初の違和感や当たりによる痛みが出ることがあり、複数回の調整が前提です。効果や使い心地には個人差があり、この記事の内容は特定の結果をお約束するものではありません

おおよその費用

保険で入れ歯を作る場合は、その日の処置の点数×ご自身の負担割合が会計額になります。自費の入れ歯の当院料金は、金属床義歯(片顎)は300,000円、ノンクラスプデンチャーは100,000〜200,000円と幅があり、シリコンデンチャーは100,000〜300,000円、磁性アタッチメントは1部位50,000円、インプラントオーバーデンチャーは1,000,000円(いずれも税抜)です。種類ごとの弱点を小さくするための追加の設計や処置が必要な場合は、その費用も事前にお見積りします。窓口でのお支払いは現金のほか、クレジットカード各社に対応しています。

記載理由

医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)にもとづいて、入れ歯の種類ごとの利点だけでなく、構造に由来するデメリットと注意点を事前に知ったうえで選択していただけるよう記載しています。

※副作用やリスクの現れ方には個人差があります。※表示の金額は税抜です。

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村上 翔
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長
私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。入れ歯のデメリットの出方はお口の状態によって異なりますので、種類の選択で迷う場合は歯科医院での受診をおすすめします。

患者様の満足度調査を
実施しております。

少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。

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