乳歯の虫歯を放置するとどうなる?
次に生える歯への影響【戸塚】

乳歯の虫歯は、生え変わるまで放置してもいいのでは」。この考え方には、一見、否定しにくい筋が通っています。どうせ抜ける歯を治す意味はあるのか、と。しかし結論からいえば、乳歯の虫歯の放置は、その歯1本の問題では終わりません。乳歯の根のすぐ下では次に生える永久歯が育っており、階下の住人であるその歯に、炎症の影響が届いてしまうことがあるからです。

戸塚でご家族そろって通ってくださる患者さまからも、この質問は本当によくいただきます。この記事では、子どもの歯の虫歯が大人より速く進む理由と、放置した場合にどこまで影響が広がるのか、その道すじを順に見ていきます。

乳歯の虫歯は
なぜ進みやすいのか

歯科医師の診察を受ける乳歯期の子ども|戸塚モディシティデンタルクリニック

同じ虫歯でも、乳歯では進行のスピード感が違います。理由は歯そのものの作りにあります。乳歯はエナメル質と象牙質がともに永久歯の半分ほどの厚みしかなく、酸に溶かされ始めてから神経に届くまでの距離が短いのです。壁の薄い家ほど火の回りが早い、と言い換えてもいいでしょう。

加えて、生えて間もない歯は組織としてもまだ幼い状態です。厚生労働省の情報サイトでも、生えて間もない歯は十分に硬くなっておらず、石灰化が完全にすすむまでに生えてから2〜4年かかると説明されています(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「子供のむし歯の特徴と有病状況」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-002.html )。壁が薄いうえに、その壁自体がまだ固まりきっていない。乳歯の虫歯対策で「早め」が合言葉になるのは、この二重の事情があるからです。

できやすい場所も、ある程度決まっている

乳歯の虫歯には、できやすい場所の傾向もあります。奥歯の噛む面の溝、奥歯どうしが接する歯と歯のあいだ、そして上の前歯の付け根まわりです。哺乳びんで甘い飲み物を飲む習慣が長く続いたお子さまでは、上の前歯の裏側から広がるタイプも知られています。いずれも歯ブラシが届きにくいか、見えにくいかのどちらかで、「毎日磨いているのに」というご家庭でも起こります。磨けているかどうかと、見えているかどうかは別問題――ここが乳歯の虫歯の見つけにくさの核心です。

気づいたときには進んでいる、が起こりやすい

お子さまは痛みをうまく言葉にできないうえ、乳歯は神経の部屋が大きいわりに壁が薄いため、「痛い」と訴えたときには思いのほか深くまで進んでいることがあります。歯と歯のあいだの虫歯は外から見えにくく、おやつの内容や食べ方によっては複数の歯で同時に進行することもあります。「泣くほど痛がってからでは選択肢が減る」というのが、乳歯の虫歯のいちばん厄介な性質です。

放置すると、影響は
どこまで広がるのか

健やかな歯で笑い合う子どもたちの様子|戸塚モディシティデンタルクリニック

放置された乳歯の虫歯がたどる道を、段階を追って整理します。

段階 起こりうること
段階:歯の表面にとどまる時期 起こりうること:白っぽさや茶色の変色。痛みはほぼなく、見逃されやすい
段階:神経に近づく時期 起こりうること:冷たい物や甘い物でしみる。食事を片側で噛むようになる
段階:神経まで達した時期 起こりうること:強い痛みや歯ぐきの腫れ。根の先に膿の袋ができることも
段階:根の先まで広がった後 起こりうること:すぐ下で育つ永久歯の質や生える位置に影響が及ぶ場合がある

階下で育つ永久歯への影響

表の最後の段階が、乳歯の虫歯を「その歯だけの問題」と呼べない理由です。乳歯の根の先に細菌による炎症が居座ると、真下で形成中の永久歯が影響を受け、表面の質が弱い状態で生えてきたり、変色を伴ったりすることがあります。また、炎症で乳歯を予定より早く失うと、両隣の歯が空いた場所へ倒れ込み、あとから生える永久歯の通り道が狭くなって、歯並びの乱れにつながることがあります。

やっかいなのは、こうした影響のほとんどが「その場では見えない」ことです。永久歯への影響は数年後の生え変わりのときに、歯並びへの影響はさらにその先に、時間差で答え合わせがやってきます。目の前の乳歯が静かだからといって、未来への請求書が発行されていないとは限りません。

誤解のないよう補足すると、乳歯の虫歯があれば必ず永久歯が傷むわけではありません。影響の有無と程度は、炎症の深さ・期間・永久歯の発育段階の組み合わせで決まります。ただ、その組み合わせを家庭で見極める方法はなく、「影響が出るかどうかは、放置してみないと分からない」という賭けになってしまうこと自体が、放置をおすすめできない理由です。

痛みが引いても、進行が終わったわけではない

注意していただきたいのは、「あんなに痛がっていたのに、最近何も言わなくなった」という経過です。虫歯が神経を壊しきってしまうと、痛みの信号そのものが途絶えるため、一見落ち着いたように見えます。しかし細菌は根の中から先へと歩みを進めており、静けさの水面下で歯ぐきの腫れや膿の袋という次の段階が準備されていることがあります。痛みの消失は治癒の証明ではない――この一点は、乳歯でも大人の歯でも変わらない原則です。

食事・癖・治療の負担にも波及する

痛む歯をかばって片側だけで噛む癖がつくと、噛む回数そのものが減り、食事の量や好みにも偏りが出やすくなります。そして何より、進んだ虫歯の治療は、お子さま本人の負担が大きくなります。小さな詰め物で済んだはずの処置が、神経の処置や抜歯にまで進んでしまうと、歯医者への苦手意識という置き土産まで残りかねません。早い段階の受診は、治療をラクにするいちばん確実な方法です。むし歯の治療の進め方そのものは虫歯治療のページで紹介しています。

通いの負担も「放置のコスト」に含まれる

もうひとつ、ファミリーの現実として見逃せないのが通院の負担です。浅い虫歯なら1〜2回で終わる処置も、神経に及べば回数は増え、1回ごとの時間も長くなります。送り迎えの回数、学校や習い事との調整、下のお子さまを連れての待ち時間。放置で膨らむのは症状だけでなく、家族のスケジュール表の負担でもあります。早めの受診は、お子さまの痛みを減らすと同時に、ご家庭の時間を守る選択でもあるのです。

「治療しない」も選択肢になる場合はある

誤解のないように付け加えると、ごく初期の変化であれば、削らずにフッ素や磨き方の改善で経過を見る判断もあります。大切なのは、放置と経過観察はまったく別物だという点です。経過観察は、進んでいないことを定期的に確かめる前提があって初めて成り立ちます。自己判断の「様子見」は、確かめる人のいない放置になってしまいます。

戸塚で子どもの虫歯を
相談するには

親子で通いやすい歯科医院で過ごす子どもの笑顔|戸塚モディシティデンタルクリニック

「もっと早く連れてくればよかった」という後悔を、私たちは何度も聞いてきました。逆にいえば、迷った時点で来ていただければ、その後悔はまず生まれません。戸塚駅のそばで、ご家族の予定に合わせて通える歯科医院をお探しなら、当院にご相談ください。

  • 戸塚モディの中にあり、戸塚駅からのアクセスが良好です。年中無休・20時30分まで診療しており、学校や習い事の後でも受診できます
  • 痛がるお子さまには応急の対応を優先し、落ち着いてから本格的な治療計画をご提案します
  • 怖がりのお子さまは、器具に慣れる練習から始めるなど、段階を踏んだ進め方が可能です
  • ご家族での同日受診に対応しています。保護者の方の検診と合わせてのご予約も歓迎です
  • 個室診療のため、泣いてしまっても周囲に気兼ねなく過ごせます。予約はオンライン・LINEが便利です

よくある質問

乳歯の虫歯は、痛がらないことが多いのはなぜですか?
初期のうちは痛みの出にくい場所から進むことが多いうえ、お子さまは違和感を言葉で伝えるのが得意ではないためです。しみる様子や食べ方の変化といった間接的なサインで気づかれるケースが目立ちます。痛みの訴えを待たず、見た目の変色の段階で確認を受けるのが安全です。
虫歯になった乳歯も、抜けるまで治療して使うべきですか?
原則として、生え変わりまでその歯の出番が残っているなら、治療して機能を保つ価値があります。噛む・発音する・永久歯の場所を守るという役割が続いているからです。ただし生え変わりが目前の歯では、あえて大きな処置をしない判断もあり、残り時間との兼ね合いで方針を決めます。
乳歯の虫歯は、うつるように何本も増えるのはなぜですか?
虫歯を作った生活条件(甘い物の回数・磨き残しの場所・唾液の性質)が、口の中のすべての歯に共通してかかっているためです。1本見つかったときは、他の歯が同じ条件にさらされてきたと考え、全体のチェックと生活習慣の見直しをセットで行うのが効果的です。
仕上げ磨きを嫌がり、口の中を見せてくれません。どう気づけばいいですか?
食事の時間が長くなった、決まった側でしか噛まない、冷たい飲み物を避ける、口臭が強くなったといった変化が手がかりになります。見せてくれない状態が続くこと自体が受診の理由になりますので、無理にこじ開けず、検診の場でプロに確認を任せてください。
一度治療した乳歯は、生え変わりまで安心してよいですか?
治療した歯も、詰め物の縁から再び虫歯になることがあります。とくに乳歯は歯質がやわらかいぶん再発も速く進みやすいため、治療後こそ定期的な確認が役立ちます。治療で終わりではなく、生え変わりまで見届けて初めて完了、とお考えください。

まとめ|乳歯の虫歯を放置するとどうなる?――次に生える歯まで巻き込まれる

乳歯の虫歯放置した場合の影響は、痛みや腫れにとどまらず、真下で育つ永久歯の質や生える位置、さらには歯並びにまで及ぶことがあります。「生え変わるから大丈夫」ではなく、「生え変わりを良い形で迎えるために治す」というのが実態に即した考え方です。

乳歯の虫歯は進みが速いぶん、早く動けば動くほど治療は小さく済みます。戸塚エリアでお子さまの歯に気になる変色や食べ方の変化を見つけたら、様子見の前に一度お立ち寄りください。

乳歯の虫歯に対応するうえでの注意点

注意点

  • 永久歯への影響の有無や程度は、虫歯の深さ・場所・期間によって異なります。本記事は起こりうることの一般的な説明です
  • 治療するか経過観察とするかの判断は、診察と検査を経て個別に行われます。ご家庭だけでの様子見の継続はおすすめできません
  • お子さまの年齢や協力度によっては、治療を数回に分けて段階的に進めることがあります
  • 処置後に一時的なしみや違和感が出る場合があります。長引くときは早めにお知らせください
  • 保険適用外の条件で行う予防処置(フッ素塗布など)を選ばれる場合は自由診療となります。内容と費用は事前にご案内します

おおよその費用

乳歯の虫歯の診察・治療は基本的に健康保険の範囲で行われます。一般的な水準の目安を挙げると、診察から検査までの初回で3割負担2,000〜4,000円ほど、その後の処置費用は本数と内容しだいで変わります。いずれも保険のしくみから見た一般的な数字で、当院が掲げている料金ではありません。横浜市など自治体の子ども向け医療費助成の対象であれば、窓口負担は目安より軽くなりますので、医療証をお持ちの方は受付でご提示ください。お支払い窓口では現金と各種クレジットカードを取り扱っています。

記載理由

医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)に照らし、乳歯の虫歯を治療すべきか迷っている保護者の方が、放置した場合に起こりうることを理解して受診を判断できるように記載しています。

※虫歯の進行の速さと影響の現れ方には個人差があります。

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村上 翔
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長
私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。乳歯の虫歯の状態と対応の判断は診察のうえで個別に行われますので、変色や食べ方の変化に気づいたら自己判断で様子を見ず、歯科医院での受診をおすすめします。

患者様の満足度調査を
実施しております。

少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。

※日本⻭科医療評価機構とは
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