部分矯正(MTM)とは?全体矯正との違いと仕組み【戸塚】

歯科医院の料金表やホームページで「部分矯正(MTM)」という言葉を見かけて、「普通の矯正と何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。装置の写真は似ているのに、費用も期間もずいぶん違う。名前からして別物のようにも見える。戸塚エリアの当院でも、この違いについてのご質問は少なくありません。

この記事では、部分矯正とはどんな治療なのかを、言葉の意味・全体矯正との違い・数本だけ動かせる仕組みの3ステップで、基礎から解説します。専門用語はその都度かみ砕いていきますので、矯正の知識がゼロの方もそのまま読み進めてください。

部分矯正(MTM)とは|
言葉の意味と治療の位置づけ

部分矯正で前歯に装着したワイヤー装置のイメージ|戸塚モディシティデンタルクリニック

MTMは「Minor Tooth Movement」の頭文字で、直訳すると「小さな歯の移動」。その名のとおり、歯列全体ではなく限られた本数の歯だけを動かす矯正治療を指し、部分矯正という呼び名と同じ治療を意味します。対象になるのは主に前歯で、隙間を閉じる、軽いねじれを戻す、傾いた歯を起こすといった「小さな移動」を担当します。

一般的な矯正治療では、歯の表面に付けた小さな装置にワイヤーを通して歯を動かす方法などが広く使われています。公益社団法人日本歯科医師会の解説でも、こうした装置による治療が矯正の代表的な方法として紹介されており、治療期間は通常1〜3年程度とされています。(参照:日本歯科医師会 テーマパーク8020「矯正歯科」 https://www.jda.or.jp/park/trouble/index08.html )部分矯正で使う装置もこの仲間です。つまり「特別な新しい装置を使う治療」ではなく、同じ道具立てを、狭い範囲に限定して使う治療だと理解するのが正確です。

「プチ矯正」と呼ばれることもあるけれど

部分矯正は、広告などで「プチ矯正」と紹介されることもあります。手軽な印象を与える言葉ですが、医学的に定義された治療名ではありません。呼び名が何であれ、行われるのは「歯に力をかけて骨の中を移動させる」という、れっきとした矯正治療です。手軽そうな名前から「削って被せるだけの簡単な処置」と誤解されることもあるのですが、歯を削って形を変える治療(セラミックなどの補綴治療)とは別物です。歯そのものを活かして位置を動かすのが矯正、と覚えておくと混同を避けられます。

全体矯正との違いは「目的」にある

では何が違うのか。装置でも技術でもなく、いちばん大きな違いは治療の目的です。

比べる点 全体矯正 部分矯正(MTM)
目的 全体矯正:噛み合わせを含めた歯列全体の改善 部分矯正:限られた範囲の歯並びの改善
装置を付ける範囲 全体矯正:原則として上下の歯列全体 部分矯正:前歯など数本〜十数本の範囲
扱える歯の移動 全体矯正:大きな移動や噛み合わせの再構成まで 部分矯正:短い距離の小さな移動が中心

全体矯正が「家一軒のリフォーム」だとすれば、部分矯正は「玄関まわりだけの補修」。工事の道具は同じでも、引き受けられる工事の規模が違います。だからこそ費用や期間に差が出るわけです。そして補修で済むかどうかを決めるのは、見た目の印象ではなく建物の状態――つまりお口全体の検査結果です。「玄関だけ直したい」という希望と「玄関だけ直して大丈夫な家か」という判断は別物で、後者を確かめる工程を飛ばせないことが、このたとえからも見えてきます。

数本だけ動かせる仕組み|
「支え」と「範囲」の設計

ワイヤーの曲げ調整に使う矯正用器具のイメージ|戸塚モディシティデンタルクリニック

「全部の歯に装置を付けないで、どうやって狙った歯だけ動かすの?」。ここが部分矯正のいちばん面白いところです。

動かない歯を「支え」にする

歯を動かすには、押したり引いたりする力の「支点」が必要です。部分矯正では、動かしたい歯の周囲にあるしっかりした歯を支え(固定源)として使い、そこを足場に狙った歯へ力をかけます。綱引きで、動かない柱にロープを結んで引くところを想像すると近いかもしれません。支えに使う歯がぐらついていたり、支えにできる歯が足りなかったりすると計画が成り立たないため、歯ぐきや歯の根の状態の確認が治療前に欠かせないのです。

なお、力をかけられた歯が骨の中を少しずつ移動していく身体の仕組みそのものは、全体矯正とまったく同じです。動かす原理が同じで、力のかけ方の設計だけが違う――ここでも「道具は同じ、規模が違う」の関係が成り立っています。

範囲の設計が治療の成否を決める

もうひとつの鍵は「どこからどこまでを動かすか」という範囲の線引きです。歯は1本ずつ独立しているようで、実際には隣どうし・噛み合う相手どうしが影響し合っています。狙った歯だけ動かしたつもりが、支えにした歯が予想外に動いてしまう、噛み合う相手とぶつかってしまう、ということが起こり得るため、範囲の設計には検査データに基づく緻密な計画が必要です。部分矯正が「簡単な矯正」ではなく「小さく設計された矯正」と呼ばれるべき理由がここにあります。

むし歯・被せ物治療の「前準備」にも使われる

ちなみに、支えを補強する方法が発達したことも、部分矯正の適用範囲を広げてきました。歯ぐき側の骨に小さなネジ状の器具を一時的に用いて支えにする方法などが代表例です。あなたの歯並びでどんな支えの設計になるかは、検査の結果とあわせて説明を受けると理解しやすいはずです。

意外に思われるかもしれませんが、MTMは見た目のためだけの治療ではありません。倒れ込んだ歯を起こして被せ物を入れやすくするなど、他の歯科治療の質を高める前準備として行われることもあります。歯を数本だけ精密に動かす技術は、歯科治療全体を支える裏方でもあるのです。

支えの考え方は装置が変わっても同じ

部分矯正にはワイヤーを使う方法のほか、マウスピース型装置を使う方法もあります。装置が変わると仕組みも別物になりそうですが、「動かさない歯を支えにして、狙った歯に力を伝える」という設計思想は共通です。マウスピース型では装置全体が多くの歯を覆うことで支えの役割を果たします。装置ごとの特徴や選び方は本記事の範囲を超えるため、関連記事に譲りますが、どの装置でも「支えと範囲の設計」が土台にあることは変わりません。

戸塚で部分矯正の仕組みから
相談したいとき

マウスピース型装置を用いた矯正の説明を受ける様子のイメージ|戸塚モディシティデンタルクリニック

仕組みが分かると、次に気になるのは「自分の歯並びで成り立つ設計なのか」だと思います。それを確かめる方法が精密検査です。レントゲンや歯型、あごの骨の画像から、支えにできる歯の丈夫さ、動かすべき距離、噛み合う相手の歯との位置関係を一つずつ調べ、部分矯正という設計が成立するかを判断します。検査と聞くと身構えるかもしれませんが、いわば「補修工事の現地調査」。設計図のない工事が心配なのと同じで、調査があるからこそ小さな工事で済むかどうかを正しく判断できます。戸塚モディシティデンタルクリニックでは、お子さんの仕上げ磨きの相談のついでにご自身の前歯のご相談を始める保護者の方も多く、「まず仕組みを教えてほしい」という段階のご来院を歓迎しています。

当院は戸塚駅直結の戸塚モディ内にあり、ご家族での通院にも便利な歯科医院です。

  • 矯正の初診相談は無料。模型や画像を使って、あなたの歯並びでの「設計の成り立ち」からご説明します
  • 土日祝も含めて年中無休で診療。ご家族の予定に合わせて通院日を選べます
  • 歯科用CTを完備し、支えとなる歯の根や骨の状態まで検査できます
  • 診療室は個室タイプ。お子さま連れでのご相談もお気軽にどうぞ
  • オンライン・LINEでのご予約に対応しています

「うちの前歯、玄関まわりの補修で済むのかな」。そんな聞き方で構いません。仕組みを知ったうえでの質問は、きっと相談を実りあるものにしてくれます。戸塚で部分矯正が気になったら、仕組みの答え合わせにいらしてください。

よくある質問

MTMとは何の略ですか?
Minor Tooth Movement(マイナー・トゥース・ムーブメント)の略で、「小さな歯の移動」という意味です。数本の歯に限定して行う矯正治療を指し、部分矯正とほぼ同じ意味で使われています。
装置を付けていない歯が動いてしまうことはありませんか?
支えに使う歯にも小さな力はかかるため、設計を誤ると意図しない動きが起こり得ます。これを防ぐために、検査データをもとに支えの歯の選び方や力のかけ方を計画してから治療を始めます。
子どもの歯並びにも部分矯正は使えますか?
お子さんの場合は成長やあごの発育を踏まえた治療計画が優先されるため、大人の部分矯正とは考え方が異なります。年齢や発育段階に応じた選択肢を、相談時にご案内します。
奥歯だけを部分矯正で動かすこともできますか?
被せ物の前準備として倒れた奥歯を起こすなど、奥歯が対象になるケースもあります。ただし奥歯は噛む力が大きく設計の条件が厳しいため、適応かどうかは検査での確認が前提になります。
部分矯正の装置は目立ちますか?
装置を付ける範囲が狭いため、全体矯正に比べると目に入る面積は小さくなります。ワイヤーの装置のほかマウスピース型を使える場合もあり、装置ごとの特徴は関連記事で紹介しています。

まとめ|部分矯正(MTM)とは「小さく設計された矯正」

部分矯正(MTM)とは、動かない歯を支えにして、限られた本数の歯だけを動かす矯正治療です。使う装置も歯が動く原理も全体矯正と同じで、違うのは治療の目的と設計の規模。「小さな移動」を精密に設計する治療だからこそ、適応の見極めと検査が重要になります。

戸塚で「自分の歯並びはこの設計で足りるのか」を知りたくなったら、無料相談で仕組みごと確かめてください。

自由診療の副作用とリスク

副作用とリスク

  • 力をかけ始めた直後は、歯が浮くような痛み・違和感を覚えることがあります
  • 装置まわりの歯磨きが難しくなり、清掃不足はむし歯や歯周病の原因になります
  • 限られた範囲の歯を動かす治療のため、歯列全体の噛み合わせの治療を目的にはできません
  • 歯を並べる隙間を確保するために、歯の側面をわずかに削る処置を行うことがあります
  • 動かした歯には後戻りの傾向があるため、治療後はリテーナーでの保定が必要です

おおよその費用

矯正治療は健康保険の適用外となる自由診療です。当院の部分矯正(MTM)に関する料金は以下のとおりです。※基本技術料は症状の程度によって変わります。

矯正精密検査+診断料 30,000円

部分矯正(MTM) 100,000〜500,000円

調整料・観察料 5,000円

リテーナー 30,000円

※お支払いには現金・クレジットカード・デンタルローン・院内分割の各方法をご利用いただけます。

記載理由

平成30年6月1日施行の医療広告ガイドラインに沿って、患者様の適切な治療選択に資するための注意事項を記載しています。

※副作用とリスクには個人差があります。※全て税抜の金額を表示。

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村上 翔
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長
私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断や治療方針は口の中の状態によって異なります。症状が気になる場合は自己判断をせず、歯科医院での受診をおすすめします。

患者様の満足度調査を
実施しております。

少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。

※日本⻭科医療評価機構とは
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