感染根管治療か抜歯か?
残す場合と抜く場合の比べ方【戸塚】

「感染根管なので、根の治療に何回か通っていただく必要があります」。そう説明を受けたとき、「何度も通うくらいなら、いっそ抜いてインプラントにしたほうが早いのでは」と考える方は少なくありません。反対に、ご家族から「自分の歯はできるだけ残したほうがいい」と言われ、どちらが正しいのか分からなくなっている方もいらっしゃいます。

この記事では、感染根管治療で歯を残すか、抜歯して補うかを考えるときの比べ方を整理します。どちらか一方が常に正しいわけではなく、歯の条件と、ご本人やご家族が大事にしたいことによって答えは変わります。保険と自費の根管治療の違いは根管治療の選び方を解説した記事で、治療の工程は根管治療のページに掲載しています。戸塚でご家族の歯の治療方針に迷っている方の判断材料になれば幸いです。

残すか抜くかを比べる前に
確かめたいこと

歯の模型に細い器具を差し込み、歯の根の中を清掃する様子を再現している写真|戸塚モディシティデンタルクリニック

「残す」と「抜く」を比べる前に、まずはその歯が根の治療で残せる条件を備えているかを確かめる必要があります。条件が整っていない歯を無理に残そうとすると、治療を重ねたあとで結局抜くことになり、時間も費用もかさんでしまうからです。

残せるかどうかを左右する4つの条件

  • 歯ぐきより上に、被せ物を支えられるだけの歯が残っているか
  • 歯の根に、縦に深く走るひびが入っていないか
  • 根の先の病変の大きさと、歯を支える骨がどのくらい残っているか
  • 歯周病が進んで、歯ぐきの溝が深くなっていないか

このうち一つでも厳しい条件があると、根の中をきれいにしても歯を長く支えるのが難しくなります。逆に、4つとも条件がそろっていれば、根の治療で残すことを第一に考える理由が大きくなります。

検査で分かること、治療を始めてから分かること

レントゲンや歯科用CTでは、根の先の病変の広がり、骨の量、根の形などを立体的に確かめられます。歯周ポケットの検査では、歯を支える組織の状態が分かります。一方で、細いひびは画像に写りにくく、古い被せ物や土台を外して初めて見つかることもあります。そのため「まず治療を始め、途中で分かったことを踏まえて方針を見直す」という進め方をとる場合もあります。

自分の歯を残すことで保たれるもの

歯の根の周りには、歯根膜という薄いクッションのような組織があります。噛んだときの力をやわらげたり、食べ物の硬さを感じ取ったりする働きがあり、根の治療で神経を取ったあとも、この組織は残ります。また、自分の歯を残せば、隣の歯を削ったり、取り外しの装置を使ったりせずに済みます。こうした点が、条件の整った歯は残すことを優先して考える理由です。

感染根管治療で残す場合と
抜いて補う場合の違い

歯科医師がミラーと器具で患者の歯を一本ずつ確かめている様子|戸塚モディシティデンタルクリニック

残せる条件がある程度整っている歯でも、通院の負担や将来のことを考えて、抜いて補う方法を選ぶ方もいらっしゃいます。ここでは、比べるときに見ておきたい観点を並べます。

観点ごとに並べて比べる

観点 根の治療で残す 抜いて補う
終わるまでの期間 残す:根の消毒に数回、そのあと土台と被せ物の工程が続く 抜く:抜いたあとの歯ぐきと骨の回復を待ってから、補う装置をつくる
費用の組み立て 残す:根の治療と被せ物。保険で行える範囲が広い 抜く:抜歯と補う装置。方法によって保険か自費かが分かれる
周りの歯への影響 残す:基本的にその歯の中だけで完結する 抜く:ブリッジは両隣を削り、入れ歯は留め具をかける歯に負担がかかる
その後の手入れ 残す:ほかの歯と同じ歯みがきと定期的な点検 抜く:装置ごとの清掃方法と、専用の点検が加わる
うまくいかなかったとき 残す:やり直しや外側からの処置、それでも難しければ抜歯へ 抜く:装置の修理や作り直し。抜いた歯は元に戻せない

表の最後の行が示すように、残す方向から抜く方向へはあとから移れますが、その逆はできません。迷う場合に、まず根の治療で残す可能性を探る歯科医院が多いのはこのためです。

「早く終わる」の中身を分けて考える

比べるときに見落としやすいのが、「期間」の中身です。根の治療で残す場合は通院の回数が多くなりがちですが、一回ごとの時間は比較的短く、その間も歯は使えます。抜いて補う場合は、抜歯の日の回数自体は少なくても、骨や歯ぐきが落ち着くのを待つ期間があり、そのあいだは歯のない状態や仮の歯で過ごすことになります。

さらに、どちらの方法でも、数年後に再び治療が必要になる可能性があります。残した歯ならやり直しや被せ物の作り直し、補った歯なら装置の修理や調整です。「今回の治療が何回で終わるか」だけでなく、「その後にどんな手入れが続くか」まで含めて比べると、ご家族にとって納得のいく選択に近づきます。

抜いたあとの補い方は一つではない

ブリッジ

失った歯の両隣を土台にして、橋のように連結した被せ物をかける方法です。固定式で違和感が少ない一方、健康な両隣の歯を削る必要があります。

部分入れ歯

留め具を周りの歯にかけて支える、取り外し式の装置です。歯を大きく削らずに済むことが多い反面、慣れるまで話しにくさや異物感を感じる方もいます。

インプラント

あごの骨に人工の根を埋め込み、その上に歯を取りつける方法です。周りの歯を削らずに済みますが、手術が必要で、骨の量や全身の状態によって向き不向きがあります。将来の通院や手入れまで含めた考え方は、次の記事でまとめています。

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データから見る「神経のない歯」の弱点

根の治療で残すと決めた場合に知っておきたいのが、神経を取った歯の割れやすさです。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、永久歯を抜く原因の調査結果を紹介し、「破折」が18%を占めるとしたうえで、「このうち「破折」の多くは、外傷など物理的に非日常的な大きな力が作用したものではなく、無髄歯(神経をとった歯)と考えられ、」と述べています(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-04-002.html )。残す場合は、根の治療だけでなく、被せ物で歯全体を守ることや、噛む力の強さへの対策までをセットで考えることが大切です。

残すと抜くのあいだにある選択肢

根の中からの治療だけでは根の先の病変が治りにくい場合でも、歯ぐきの側から根の先を処置して歯を残す方法(歯根端切除)が検討できることがあります。どんな場面で検討され、どんな歯に向かないのかは、次の記事で取り上げています。

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戸塚で家族と
治療方針を決めるときの相談

根の中に赤い神経が通っている様子を示した透明な歯の模型|戸塚モディシティデンタルクリニック

残すか抜くかは、一度決めると後戻りしにくい選択です。当院では、画像をお見せしながら両方の見通しをお伝えし、その場で決めていただくことはしていません。横浜市戸塚区にお住まいの方はもちろん、ご家族の付き添いで来院される方にも、説明を一緒に聞いていただいています。

決める前に家族で話し合っておきたいこと

  • その歯で、この先どのくらいの期間噛み続けたいか
  • 根の治療に必要な通院の回数を、仕事や送り迎えの予定の中で確保できるか
  • 保険の範囲で進めたいか、自費の方法も比べたいか
  • 同じ側にほかにも治療が必要な歯や、すでに抜けている歯があるか

迷ったときは「見直す時点」を先に決めておく

どうしても決めきれない場合は、まず根の治療を進め、「土台を外したときにひびが見つかったら」「数回の消毒で症状が落ち着かなかったら」といった見直しの条件と時期を、あらかじめ決めておく方法があります。条件を共有しておけば、途中で方針を変えることになっても、ご家族も納得しやすくなります。

とくに、ご高齢のご家族の歯について考える場合は、今の噛みやすさだけでなく、将来ご自身で手入れを続けられるか、通院の付き添いが必要になったときにどうするか、といった点も話題にしておくと安心です。残す・抜くのどちらを選んでも、その後の点検を続けられる形を一緒に考えていきます。

戸塚の当院で整えていること

  • 戸塚駅に直結する戸塚モディの中にあり、休まず20時30分まで診療しています。根の治療の通院も、家族それぞれの都合に合わせて組めます
  • 歯科用CTとマイクロスコープで、ひびの疑いや骨の量、根の形を確かめてから見通しをお話しします
  • 残す場合と抜いて補う場合の両方について、通院回数と費用の考え方を並べてご説明します
  • 個室タイプの診療室なので、ご家族が同席しても周りを気にせず話し合えます
  • タワー式の大型駐車場を利用できます。予約はネットとLINEで、家族の分もまとめて取っていただけます

よくある質問

何度も通うくらいなら、抜いてインプラントにしたほうが早いのではないですか?
インプラントも、抜いたあとの回復を待つ期間や手術、人工の歯をつくる工程があるため、根の治療より短い期間で終わるとは限りません。通院の回数だけでなく、周りの歯への影響や将来の手入れまで含めて比べることをおすすめします。
根の治療で残した歯は、何年くらい使えますか?
歯の残り方や噛む力、手入れの状態によって大きく変わるため、一律の年数はお伝えできません。被せ物で歯を守ること、歯ぎしりがあれば対策をすること、定期的に点検を受けることが、長く使うための主な工夫になります。
抜歯したら、すぐにブリッジやインプラントを入れられますか?
多くの場合、抜いたあとの歯ぐきと骨がある程度落ち着くまで待ってから、型取りや手術に進みます。その間、見た目や噛みにくさが気になる場合は、仮の歯で補う方法もご相談いただけます。
まず根の治療をしてみて、だめなら抜くという進め方はできますか?
できます。その場合は、どんな結果が出たら方針を見直すかを、始める前に決めておくと進めやすくなります。根の治療に使った期間と費用が、抜いて補う治療とは別にかかる点も、あらかじめご理解いただいたうえで進めます。
家族と相談してから決めたいのですが、そのあいだに悪くなりませんか?
数日から数週間の相談期間で大きく変わることは多くありませんが、腫れや痛みがある場合は、方針を決める前に根の中の汚れを取るなどの応急的な処置を行うことがあります。決めるまでの過ごし方もあわせてお伝えします。

まとめ|感染根管治療か抜歯か?
歯の条件と暮らしの事情を並べて決める

感染根管治療で残すか抜歯するかは、まず歯の残り方・ひび・骨の量・歯周病の程度という条件を確かめ、そのうえで期間、費用の組み立て、周りの歯への影響、その後の手入れを並べて考えます。残す方向から抜く方向へはあとから移れても、その逆はできないため、条件の整った歯では根の治療を先に検討することが多くなります。残す場合は、神経のない歯の割れやすさへの備えも欠かせません。

戸塚で、ご家族の歯を残すか抜くかで迷われている方は、両方の説明を聞くところからご相談ください。

残すか抜くかを決めるうえでの注意点

注意点

  • 根の治療で残すことを選んでも、治療の途中でひびが見つかり、方針を変えることがあります
  • 根の治療のあとは歯がもろくなるため、被せ物による補強と、噛む力への対策が欠かせません
  • ブリッジでは両隣の歯を削り、部分入れ歯では留め具をかける歯に負担がかかります
  • インプラントは手術を伴い、骨の量や持病、喫煙の有無によっては適さないことがあります
  • どの方法でも、治療後に定期的な点検と手入れを続けることが前提になります

おおよその費用

感染根管治療と、その後の保険の被せ物は、健康保険の範囲で受けていただくのが一般的です。窓口の額は、行った検査と処置の点数に負担割合をかけて決まり、根の数や通院回数によって変わります。抜いて補う場合は、ブリッジや入れ歯に保険の方法と自費の方法があり、インプラントは自費診療です。当院の自費の根管治療の料金は、マイクロスコープ使用で50,000〜100,000円、MTA使用の処置で10,000円(税抜)です。インプラントや入れ歯の料金はそれぞれの診療ページに掲載していますので、比べる際の参考にしてください。

お支払いは現金とクレジットカードに対応しており、治療の内容ごとに選んでいただけます。

記載理由

医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)の考え方を基本として、感染根管と診断された歯を残すか抜くかで迷っている方が、それぞれの特徴と注意点を理解したうえで選べるよう、両方の方法を比べています。

※治療の経過や歯の持ちには個人差があります。

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村上 翔
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長
私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。残すか抜くかは、歯の残り方や支える骨の量を画像で確かめたうえで、ご本人の希望と合わせて決めるものです。迷われているときは、歯科医院で両方の説明を受けてから判断してください。

患者様の満足度調査を
実施しております。

少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。

※日本⻭科医療評価機構とは
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。
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